新合金「バイオチタンZ」とは?

バイオチタンZの特徴

より人体に優しい、フィット感としなやかさを追求
鋼種別材料の応力とひずみ曲線

 バイオチタンZは、安全な骨インプラント用チタン合金 開発の中で誕生しました。 現在整形外科で使われている骨インプラント用チタン合金の弾性率は110 GPaで、人間の骨の弾性率30GPaより著しく大きいことが問題になり、その解決のた めに最近開発されたのが低弾性率チタン合金です。

 バイオチタンZはその一種で人間の骨に近い40 GPa級の弾性率をもちます。弾性率が小さくなるほどバネ性(形状回復率)が良くなるため、眼鏡フレームには今までに無いフィット感やしなやかさが実現されます。

微細加工から重切削まで、美麗なデザインを実現
加工率別引張試験

 従来の形状記憶合金は冷間加工が極めて困難でした。しかしバイオチタンZは90%以上の冷間加工性をもち、純チタンの通常加工率30%をはるかに上回る数値を示しています。これにより、切削加工において、微細加工から重加工までスムーズに仕上げることが可能となりました。

 高いデザイン性を求めることができ、医療やメガネなどに代表される高度な緻密さを必要とする分野に新しい可能性を生み出しています。

高い冷間加工性は、工期短縮・コスト削減を実現
加工率別伸度試験

 従来のチタン合金の加工では、プレス加工工程で必要とされる熱処理回数の多さが、工期短縮・コスト削減を妨げる要因の一つとなっていました。

 バイオチタンZでは、90%以上という高い冷間加工性により、熱処理回数を極力抑えることができます。その結果、加工工程の短縮が実現でき、人件費や手間などのコストの削減も可能となります。また、工期短縮が多品種少量生産にもつながり、新しいデザインの開発など、フットワークの効いた生産を導きます。

劣化しにくい特性が、品質の維持につながります

 チタン(Ti)、ニオブ(Nb)、スズ(Sn)の合金であるバイオチタンZでは、表面に極めて安定な不働態酸化皮膜が形成されるため、日常での使用環境では錆びなどの劣化は起こらず、構成金属はほとんど溶出しません。

 品質維持レベルの高さは、商品の信頼へと結びつくでしょう。